何も誇れぬ人生の記録

『ぼくは何も誇れないのが誇りだな』沼田真佑、影裏より

2024-01-01から1年間の記事一覧

はてなだけの話

仕事は言われたことができればいいのだと思う。 そして言われていないことはあまりしない方が良い。少なくとも一般社員のうちは。 一番良くないのは業務用の場で自己開示をしてしまうこと。時々感情に流されてやってしまうが、業務時間はすべてロジックで動…

自由意志の途切れ目には確かに静寂があった。私はその時遠い月の世界からの巡礼から戻り、藁ぶきの茶色い壁が一面に苔むした簡素な邸宅の一室にいた。体には深い疲労があり、何の欲求ももはや感じることができなかった。私の精機は黒くしなびて、もはやイナ…

欲求のさまざま

ある飲み会の席で会社の上司と「残業は悪か善か」という話になった。残業を肯定したい上司に対して周囲はいやいやながらも同調しなければならない雰囲気だったが、僕は断じて嫌だったので気配を消して話を振られないようにしていた。 残業は人から貴重な時間…

反抗は反抗らしくあれ

ずっと僕が創作をする意義について悩んでた。それになんの価値があるのかと。 そもそも価値などない。なぜなら僕の創作物はなんら意義のある主張も含んでいなければ、かと言って既存の理論の明快な解説も出来ておらず、内容浅薄にしてむしろ数学の進歩にとっ…

沼田真佑『影裏』

素晴らしい作品でした。 この硬くて澄んだ描写は一周回って素人くさい感じを出しているのだけど、明らかに何か描かれるべきものを描いている。 それは僕が、十代の頃から感じていて今では忘れ切っていて、得体のしれない憂鬱になって漂うしかなかったような…