何も誇れぬ人生の記録

『ぼくは何も誇れないのが誇りだな』沼田真佑、影裏より

スケッチ

吸いさしの煙が名残惜しく漂う暗がりで、細い影が頻りに骨ばった右手を上下させている。その行為の振動で、歪な丸テーブルは小刻みに揺れていた。周囲に物音ひとつないことに安心しきって、動きは大胆になっていく。端の皮が捲れた口元からよだれが垂れて、…

新潟駅前20221106日

老後の習い事

○信越線電車内、夕方老婆と女、隣同士会話。老婆、しきりに女に話しかけている。 老: 遊びにいったり、家から出ていかないとダメだねえ。人生挑戦しないと。 女: ぜひ、そうしましょうよ。 老: 年だからやめようと思ったけれど、辞めたらすぐにダメになると…