何も誇れぬ人生の記録

『ぼくは何も誇れないのが誇りだな』沼田真佑、影裏より

水の記憶

声無き声を聞いてほしい。

冷静な考えが浮かぶ前に。

我らの本能がこだまするあの本殿の中へ。

忘れてきたものは沢山あった。

きっと僕らはそれでも蘇る。

まだ残る香りがそこへ届けてくれるだろう。

理解の前に欲しいものがあって、満たされないと知るとき、僕は不必要になる。

ただ透明でありたいだけだ。

透明こそ全てだったのだ。

今こそ思い出そう。

時が全て連れ去るだろうが、まだ動けるうちに隠れよう。