何も誇れぬ人生の記録

『ぼくは何も誇れないのが誇りだな』沼田真佑、影裏より

2022-09-02から1日間の記事一覧

砂虫

黒い土が盛り上がったところに、不思議な日陰ができていた。私はその日陰の形があまりに気がかりだったので、誰かにどうしても見せなければと思い、人をよびに飛び出た。 午後の往来の日差しはまだ強くて、立ち上がり木陰から出た途端に急な吐き気が催した。…

夏目漱石 中身と形式 1911

この講演の最初の10%が一般の聴衆向けて講演するにあたっての前口上に費やされていて、なにかこの題名にちなんだ皮肉的な冗談なのかなと思った。この前口上で講演の場所やどんな心持ちで話すのかどんなふうに話の内容を決めたのかについてひたすら言い訳めい…