何も誇れぬ人生の記録

『ぼくは何も誇れないのが誇りだな』沼田真佑、影裏より

文学作品の雰囲気と哲学的ベース

文学作品にも、英米哲学や大陸哲学といった哲学的基盤があるのではないか。

例えば、フローベールの作品に何らかの倫理的な指針のようなものは見当たらずそこにあるのは徹底した(時代や感情の)明晰化と分析であるので、これは英米哲学の先駆けと言える。

一方で、虚体を巡る壮大な議論を繰り広げる埴谷雄高のし霊などは典型的な大陸哲学の影響を受けた作品なのだろう。