何も誇れぬ人生の記録

『ぼくは何も誇れないのが誇りだな』沼田真佑、影裏より

言語・真理・論理 第四章

ア・プリオリなもの

ア・プリオリな命題は論理と数学に関する命題である。ア・プリオリに有効性が認められるということは、同語反復であることと同値である。このようなア・プリオリな命題があると認めることは経験論と全く矛盾しない。なぜなら、このような同語反復による命題は経験的事実については何も語っていないからだ。そうではあるが、同語反復が何も明らかにしないわけではなく、有限な我々の知性では思いもよらない命題に到達することが可能である。同語反復は無限の知性を持つ存在にとってのみ自明である。