何も誇れぬ人生の記録

『ぼくは何も誇れないのが誇りだな』沼田真佑、影裏より

言語・真理・論理 第三章

哲学的分析の本質

哲学的分析とは陳述の、特に定義の、言語学的な観察であると前章で規定した。ここで、言語の構造の分析とは、まずその言語の中にある有意味な陳述を洗いざらいピックアップして、次にその中で同じ意味を表す陳述同士を結んでいくことである。

ここで等価関係を定めるために用いられる定義は、釈義的な類義語による定義ではなくて、文の意味による用法的な定義である。このような言葉や文の定義は、その言語の慣習の影響をうける。

また、ある言語の分析に別のよく整理された記号による言語を用いることが有用であると知られているが、我々はある言語をその同じ言語によっても分析することが可能であると考える。(エイヤーは人工言語派ではなく自然言語派に立つ)