何も誇れぬ人生の記録

『ぼくは何も誇れないのが誇りだな』沼田真佑、影裏より

僕の人生

2010年、19歳のとき僕は東京大学理科二類を中退した。今からもう12年半も前になる。

夜の井の頭公園を歩きながら、中退を決めたことを母親に涙ながらに電話したことは今でも忘れていない。

それからの10年は大学中退したことの挫折感と格闘する日々だった。ずっとずっと後悔と自分は駄目だという気持ちが消えなかった。

そしてその10年後、やっと僕は博士課程ではあるが、ボロボロの状態ではあったが、中退した大学を30歳で卒業することができた。

この2020年だけは唯一、孤独ではあったけれども、僕が挫折感から解放されて自由になれた青春だったと言えるのだろう。

そしてまた挫折がやってきた。

僕は2年以上かけて一本も論文が書けず、いよいよ研究員をクビになる。

この次の10年間をどう生きようか。

とにかく言えるのは、もう何やっても駄目だ、勉強する意味もないと考えることはもう死んでいるのと変わらないということだ。