何も誇れぬ人生の記録

『ぼくは何も誇れないのが誇りだな』沼田真佑、影裏より

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

新潟駅前20221106日

老後の習い事

○信越線電車内、夕方老婆と女、隣同士会話。老婆、しきりに女に話しかけている。 老: 遊びにいったり、家から出ていかないとダメだねえ。人生挑戦しないと。 女: ぜひ、そうしましょうよ。 老: 年だからやめようと思ったけれど、辞めたらすぐにダメになると…

石井遊佳 百年泥(はじめ)題名の由来が書き出しのいち文で語られる。洪水の場面から。家でニュースと窓の外の様子を見ながらここにいる経緯を回想。主人公は男運がなく、流れされてチェンナイの日本語教師となった。(おわり)最後は感傷、盛り上がりの裏切り。…

5 透明なる文法 1 清掃員のアルバイトを始めるため、路上で面接を受ける30歳。若者が面接をしてくれる。なぜここに至ったのか、掘り下げる。 2 ひぐらしさんと出会う。僕は彼女を自分の全ての練習相手にしようと思い込む。 3 やめる決心をした後の挫折を描く…

エイヤー著 言語・真理・論理 第一章

哲学の体系を、自分のなかにいかにして作り上げるかの指針を与える。以下のステップが提案される: (1) 陳述を分析的命題、経験的命題、ナンセンスに分類する。 問題点: 同語反復でも弱い意味で原理的検証可能でもない陳述がナンセンス、とあるが実際に判別す…

読むときは広く、書くときは狭く(実践小説教室、根本昌夫)

その場面にあるものだけを、知っているものだけを書く。 とってつけたようなことや、説明は書かない。 場面を深読みする描写はよい。(マンスフィールド) フローベール が喝破したように、小説とは紋切り型との闘い。

4 分別 1 30代の男が清掃の仕事を辞める。 2 SDGs関係のゴミ拾いボランティアを募る。 3 喫茶店に呼び出され、ニュースキンの勧誘を受ける。 4 勧誘を受けたことをもう一人のボランティア仲間に相談すると彼女も信者だったことが判明し、むなしくなる。 3 失…

赤川次郎 血と薔薇 (はじめ) 最初の数段落で登場人物とその関係性が鮮やかに紹介されるのは見事でした。 (おわり) ひとだんらくと思ったろころで、女のあれっとなるセリフ。無理心中させられたことに気づいて終わる。ホラー。 青山文平 飛ぶ男 (はじめ) 舞台…

映画と小説における文法的な区切り

映画 カット(ショット)……カメラのスイッチを入れてからスイッチを切るまで。 シーン(場面)……いくつかのカットのまとまり。基本的に場所で区切られる。 エピソード(小話)……いくつかのシーンのまとまり。 シークエンス……いくつかのエピソードからなる意味のま…