何も誇れぬ人生の記録

『ぼくは何も誇れないのが誇りだな』沼田真佑、影裏より

なぜ僕は落ち込んだのか?

昨晩、自分が書いている論文のキーワードを検索していたら、論文中の汎関数と完全に同じものを扱っている10年前の論文を見つけてしまった。

僕はそれを見て気持ちが揺らいだ。なんで落ち込んだのかを考えてみる。

それはやはり、僕は論文を自分のために書こうとしていたからだ。自分の名前を売るために、あるいはキャリアアップに使う評価のために。

しかし、それは論文というものの目的からは完全にずれている。なぜなら論文の存在意義はただ一つ、人間を賢くすること、だからだ。

それ以外の目的は論文に関して言えばノイズに過ぎない。

論文というのは、人間が読み込むプログラムであって、それを読み込むことで人間を少し賢くすることが目的である。僕らはこのことに忠実であれば良く、この目標が少しでも達成できたならそれでよしとすべきである。

まさにオープンソースハッカーの精神で学問を学ぶほうがいい。この方が楽だからだ。